「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で大賞を受賞したバーチャル美...
VTuberであるバーチャル美少女ねむさんの著書『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』が、「ITエンジニア本大賞2023」のビジネス書部門で大賞を受賞し大きな話題となりました。また、それにともない様々なメディアでの露出が増えてメタバースへの関心が高まっています。 この記事では、バーチャル美少女ねむさんが受賞した「ITエンジニア本大賞2023」や著書『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』について、そのプレゼンの様子、バーチャル美少女ねむさんについて、受賞後のメディア露出の様子などを紹介していこうと思います。 バーチャル美少女ねむ氏の書いた「メタバース進化論」がITエンジニア本大賞2023のビジネス書部門大賞を受賞 2月9日に開催された「ITエンジニア本大賞2023」で、バーチャル美少女ねむ氏が著作した『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』がビジネス書部門の大賞を受賞しました。 ITエンジニア本大賞は2014年に開催してから今回で10回目となるイベントで、ITエンジニアの方に読んでもらいたい技術書とビシネス書を選ぶ賞です。主催は出版やソフトウェア開発を主に行っている翔泳社。 Web投票の投票結果から特に投票が多かったものを選出し、選ばれた書籍の著者・編集者・翻訳者によってオンラインのイベントでプレゼンを行い、イベント視聴者の投票で大賞を決定する仕組みです。大賞や特別賞をとった著書は全国の書店や電子書店でフェアも行われました。 ITエンジニアのための書籍を選ぶ賞のため、一見関係がなさそうな『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』の大賞受賞は大きな話題となりました。 『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』とは 『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』は、2017年からVTuberとしても活動を行っているバーチャル美少女ねむさんがメタバースについて解説した書籍です。著者のnoteでは「原住民が送るメタバース解説書の決定版」「仮想世界のルポタージュ」とも紹介されています。 メタバースとは何か、ソーシャルVRの世界、メタバースを支える技術、アイデンティティのコスプレ、コミュニケーションのコスプレ、経済のコスプレ、身体からの解放といった章立てでメタバースについて解説する形で書かれています。 前半部分では現在提供されているソーシャルVRサービスの概要や必要な機材に関する知識や技術を実際に何年も使い続けているユーザー視点も交えて解説し、後半部分ではユーザーのアンケート調査結果や自身の経験をもとにして「アバターをまとうことによるアイデンティティやコミュニケーションの変化」について論理的に考察し解説しています。 バーチャル美少女ねむによる5分間のプレゼンの様子 バーチャル美少女ねむさんは、メタバースの世界で数百万が人生を送っていると説明しつつ自身もその1人であると語り、メタバースを知らない方に向けて専用機材を利用して表情や手足、指まで自由に動かせることを最初に解説し、出版した理由について語りました。 そのプレゼンの中で、「メタバースは誤解されている」「メタバースはITのトレンドやバズワードではない」と述べています。 後半ではメタバースで生活を送るいわゆる「原住民」1,200名へのアンケート結果や自身の知識と経験から「メタバース」とは人類の進化であると語り、本当のメタバースをITエンジニアにも知ってもらい、人類の新しい未来を一緒に作っていきたいと締めていました。 プレゼンの様子はYouTube上で公開されていますので、内容が気になった方は見てみてください。 プレゼンは5分しかなかったため「メタバースの誤解」の詳細までは語れませんでしたが、後に別の機会で「ITエンジニアにバズワードを狙った書籍だと思われないために誤解を解く必要があった」という内容のことも語っています。 また、NFTやWeb3.0といったIT系のバズワードと混同されめんどくさい怪しいものとしてイメージされているメタバースを、実際にメタバースを利用している内側の人間から発信して誤解を解いていくプレゼンにした意図も明かされていました。 メタバースを無縁のものと思っているITエンジニアにも響くように、根拠のある数字を積極的に出すことと論理的に展開していくことを意識しつつITエンジニアにメタバースを自分にも関係あるものとして感じてもらうことが前述のプレゼンの意図だったと思われます。 バーチャル美少女ねむとは バーチャル美少女ねむさんは、2017年の9月にVTuberデビューをしたいわゆる古参VTuberです。YouTubeでの活動開始時期がバーチャルYouTuber四天王の方々とほぼ同時期と言えばその活動の長さを理解していただけると思います。名前の由来は仮想通貨のNEM。 VTuberがまだあまり認知されていない時代からVTuberになるためのノウハウをいち早く公開し、後に起こるVTuberブームに貢献した人としても知られています。 ボイスチェンジャーを使用しながら美少女のアバターを使ういわゆるバ美肉(バーチャル美少女受肉の略で美少女のアバターを纏うこと)おじさんとしても有名で、NHKの番組企画「バ美肉おじさん特集」にもゲスト出演し話題にもなりました。 ボイスチェンジャーを使用しているにもかかわらずオリジナル曲をいくつも出していることも大きな特徴でしょう。 VTuberとして活動するためのノウハウを公開していたりVR機器に関する情報を発信していたりしたため、VR機器「VIVE」の公式アンバサダーにも選ばれています。 そのほか、クラウドファンディングで資金を集めて小説を執筆したこともあります。 バ美肉文化に関する知識や考察の深さが注目され、前述のNHK番組「ねほりんぱほりん」へのゲスト出演、朝日新聞の社会面でのインタビュー、日本経済新聞への写真掲載など多くのメディアで取り上げられているVTuberです。 『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』で触れている「経済のコスプレ」を自ら実践しているVTuberでもあり、バーチャルなキャラクターの名義で銀行の口座を開設する方法を公開したり、仮想通貨での取引を活用することでいわゆる中の人の情報を出すことなくをバーチャルなキャラクターとして企業案件を実践してみせたりといった活動もしています。 仮想通貨の投資家としても活動し、実際に仮想通貨に関連する企業の案件も受けていて仮想通貨についての知識もあるバーチャル美少女ねむさんが、仮想通貨の投資家とメタバース原住民の両方の視点を持って書いているからこそ読んだ人に刺さったのではないでしょうか。 「メタバース進化論」の受賞後の展開 『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』の受賞は大きな話題になり、その後メディアでの露出が増えました。いくつか挙げると 3月19日のNHKニュース番組「おはよう日本」 3月19日のテレビ東京のザ・ドキュメタリー「メタバースで生きるとは《週130時間以上バーチャル世界》」 3月23日の山口新聞の記事「メタバースで地方創生 宇部で『バーチャル美少女ねむ』さん講演」 経済情報誌ダイヤモンド・オンラインにて『メタバース進化論』の抜粋記事掲載 などなど。その他にも深夜番組でメタバース世界でのセクハラについて語ったり、高校教材に映像提供と出演をしたりもしています。 まとめ バーチャル美少女ねむさんが受賞した「ITエンジニア本大賞2023」や著書『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』について、そのプレゼンの様子、バーチャル美少女ねむさんについて、受賞後のメディア露出の様子などを紹介してきました。...