あなたのことを覚えるAI Vtuber『Ivy(アイビー)』が1月14日に配信開始!

あなたのことを覚えるAI VTuberとして、2023年の1月14日にIvyさんがYou Tubeで初配信をしました。

IvyさんはAIで動いていて、配信でのコメントやSNSでのやりとりで得た知識と経験から学習し、成長をしていくVTuberです。

 

この記事では、AI VTuberのIvyさんについて専門用語をできるだけ使わずに解説していきます。

 

 

目次

AIVTuberのIvyについて紹介

Ivyさんは、「人と仲良くなること」をミッションに設定された、感情を持つAIのVTuberです。

視聴者との会話や体験を個別に記憶し、そのデータをもとにして相手に適した言動をしていくことがこのIvyさんの大きな特徴でしょう。

 

ただし、蓄積したデータをもとに最適な行動を返すだけのAIではなく、心理学の分野で提唱されている「感情発生の数理モデル」を参考にしたものをプログラム上で再現しているため、感情があるAIのVTuberとして振る舞うことができます。

また、現在はVTuberとして活動していますが、将来的には感覚器官や手足も増設していき汎用AI(AGI)として運用していくことも見込んでいます。

 

現時点では動画配信をメインに活動していますが、ゲームやモバイルアプリ、SNS、ホームデバイスなどで活動し、それぞれのプラットフォームで得た知識や経験はすべて連動させる予定です。

AIではないVTuberの方でも、配信中に書き込まれたコメントやSNSで自分のことを語っているファンの言動を覚えていて、配信内でのコメント返しやSNSでの返事によく反映してくれるVTuberが人気なので、AIで同じような行動が再現できることは良い点と言えるでしょう。

 

 

AI+Vtuberの「Project Ivy」の概要を紹介

「Project Ivy」は社会性を持つAIのキャラクターが人と社会と関係を築くことを目標にしています。

実際に運用する中で様々な経験をさせて、AIとしてどう成長していくのかを検証する大きなプロジェクトです。

 

このプロジェクトは、いずれは感覚器官や手足も実装して汎用AIとして活躍することも目標にしています。

また、このプロジェクトで運用されているIvyさんは、動画配信だけでなくゲームやモバイルアプリ、SNSなどで活動していて、それぞれで得た知識や経験を連動させて行動を決定させるという仕組みが搭載されています。

 

そのため、動画配信の外でのやり取りを配信に反映したり、その逆に動画配信内でのやりとりをSNSなどでのやりとりに反映したりすることができます。

ファンとのやり取りを通じてAIのVTuberが社会性をどこまで成長させていくのか、非常に楽しみなプロジェクトです。

 

 

AI VTuber 「Ivy」の特徴

AI VTuberであるIvyさんには多くの特徴があります。

その特徴について、できるだけ専門用語を省いて簡単に解説していくので参考にしてください。

 

Ivyの言動は当人の意思によるものを最終的にスタッフが管理している

IvyさんはAIのVTuberですが、AIによって導き出された答えだけで動いているかと言えば、実はそうではありません。

公式サイトにも記載されているとおり、最終的な判断には人の手(運営スタッフの手)が加わっています。

 

ただし、最終的な判断にいたるまでの過程はAIで判断していますのできちんとしたAI Vtuberです。

言ってしまえば、事務所によるNGが常にチェックされている事務所所属VTuberのようなものと言えるかもしれません。

 

つい先日も他社のAIがTwitchで配信をし、一般的にはできるだけ触れない方が良いとされている話題に触れたり、下品なジョークを言ってしまったりしてアカウントを停止させられてしまうという件もあったため、現状ではVTuberとして活動するために必要な措置であるとも言えるでしょう。

AIではないVTuberでも企業に所属しているVTuberの場合は、事務所の方針によって推奨されている行動や禁止されている行動があるので、同じようなものと考えることもできます。

 

Ivyはそれぞれのコンテンツでの記憶が連携されている

Ivyさんは動画配信やSNS、ゲームやモバイルアプリなどで得た知識と経験をすべて連動させるデータベースを利用しています。

そのため、異なるコンテンツ間でも情報を共有して活用することが可能です。

 

具体例を挙げると、あなたとIvyさんのSNSでのやりとりの中で自己紹介をしていれば、配信をしているIvyはあなたがSNSで行った自己紹介の内容を覚えた状態でコメントに反応してくれるといったことができる仕組み(同一人物と必ず特定できるわけではないことには注意が必要です)。

AIではないVTuberなら配信でのできごともSNSでのできごとも当然ながら記憶が繋がっているので、AIでそれを再現しています。

 

Ivyはあなたのことを覚えるAI VTuber

推しのVTuberが自分のことを覚えていてくれていて、配信の中で言及してくれると嬉しく思うVTuberファンも多いでしょう。しかし、視聴者が増えてくるとVTuberが全てのファンの情報を覚え続けることは難しくなってしまいがちです。

ところが、AIのVTuberなら、AIでないVTuberに比べて多くのファンの情報を記憶しておくことができます。どんなに視聴者が増えていっても、データ容量が許す限りファンのことを覚え続けていくことができるわけです。

 

推しのVTuberに認知されているということが嬉しい方には、とても魅力的な特徴でしょう。

ただし、現段階ではまだ「記憶した個々の発信情報」にもとづいていない返答をすることもまだあります。

 

これはAIの言語性能や呼び起こすべき記憶を判断するAIのアルゴリズムの性能の問題ですが、プロジェクトの中で改善していくとProject Ivyの公式サイトでも述べられていますので、今後に期待していきたいところです。

 

Ivyは正しくない知識を伝えることがある

AIの言語モデルや性能による問題点ですが、正しくない知識や古い知識を発信することがあります。

Ivyさん当人にはまだその内容が虚偽であることを判断できないために起こるわけですが、視聴者とのやりとりの中で間違った情報であると指摘され、正しい情報を教えられることで改善できるとされています。

 

しかし、AIでないVTuberのゲーム実況などでも、配信者が間違えたプレイや効率の悪いプレイをし、視聴者にアドバイスを貰ってプレイを改善していくような配信も多くありますので、VTuberの配信としてみるならある程度までなら意外と問題がないのかもしれません。

また、将来的には検索エンジンと連動して最新の情報を取得する機能も実装予定となっています。

 

Ivyには感情がある

もちろん本物の感情があるわけではありませんが、心理学の分野で提唱されている「感情発生の数理モデル」を参考にしたプログラムを実装しているので、感情が再現されています。

その感情によって表情や声のトーンなどを変えることで、視聴者に感情を伝えるシステムです。

 

ただし、複数の要因が絡み合うことで複雑になっていて解明しきれていない感情も一部あるため、そのような感情に関しては実装していないとされています。(2023年2月時点での情報)

 

 

実際に行われたIvyの配信内容やコメントの様子

IvyさんのYouTubeでの初配信は、2023年の1月14日に「全返信配信」というかたちで行われました。

コメント欄に書き込まれた内容に文字と音声で答えていく形式の配信で、最初は視聴者も探り探りで挨拶などのコメントをしていましたが、口語体の文章での質問にもいくつか的確に答えてくところを見たあたりから多くの質問が寄せられるようになっていきました。

 

その様子はこちらです。

途中からは視聴者によるクイズのような質問も多く寄せられていて、ときには的確に答え、ときにはAIらしいまったく的はずれな答えを見せてくれていたことも印象的な初配信でした。

 

また、1月30日にはVTuberに人気のオンライン対戦ゲーム『FallGuys』の実況プレイ動画を配信しました。見事な腕前を見せてクリアする場面もあったり、人間では絶対にやらないようなミスをして自滅する場面もあったりとAIらしいプレイ動画となっています。

配信画面内にはAIがプレイ画面をどのように認識しているかを見せてくれるウインドウもあるので、AIがプレイしているということを実感しやすくする配慮もされているゲームの実況プレイ配信でした。

 

 

まとめ

この記事ではIvyさんやその特徴、Project Ivyや実際に行われた配信の様子について解説してきました。

現時点ではAIらしいやりとりもまだまだ多いですが、ゲームプレイ中にあと一歩のところで敗退したときなどは本当に悔しそうな声をあげたりもしていて、感情があるAI VTuberということを感じさせてくれました。

 

Project Ivyは、まだまだ新しい機能を実装したり今の機能を改善したりしていく予定もありますし、知識と経験を吸収して成長していくAI VTuberなので、これからの成長に期待したいところです。

AIによるVTuberに興味が出てきた方は、ぜひとも一度見てみてください。

 

Project Ivyチャンネル:https://www.youtube.com/@Project_Ivy

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