ホロライブを運営するカバー株式会社が東証グロース市場に上場承認!3月27日に上場予定

VTuber業界を代表するグループ「hololive」を抱えるカバー株式会社ですが、東証グロース市場への上場が承認されたことが発表されました。3月27日に上場される予定となっています。

大手のVTuber運営会社では2例目となるため多くのメディアにも取り上げられて話題になったことから、VTuber業界を知らない方でも目にしたことでしょう。

 

この記事では、ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社の上場についてやホロライブプロダクションについて、既に上場しているANYCOLOR株式会社(「にじさんじ」の運営会社)との違いなどについてかんたんに紹介していきますので、参考になれば幸いです。

 

 

目次

カバー株式会社の東京証券取引所グロース市場への上場について

カバー株式会社は、自社の運営する公式サイト上にて「東京証券取引所グロース市場への新規上場承認に関するお知らせ」として、カバー株式会社が東京証券取引所グロース市場への新規上場を承認されたことを2月17日に告知しました。

同社の告知によると、東京証券取引所グロース市場への上場は2023年の3月27日(月曜)の予定となっています。

 

VTuber事業を主に行っている大手VTuber事務所としては、ANYCOLOR(「にじさんじ」の運営会社)に次ぐ上場です。

カバー株式会社が公開している「新規上場のための有価証券報告書」によると、第2期の売上高は370万1千円程度ですが第3期には1億3686万2千円と億の大台に乗せ、以下順調に伸ばし続けて第6期には136億6372万8千円の売上高となっています。そのため、これからの成長にも大きな期待をされている銘柄と言えるのではないでしょうか。

 

 

カバー株式会社が運営するホロライブプロダクションについて

ここからは、hololiveプロダクションを運営するカバー株式会社について紹介していきます。

 

ホロライブプロダクションの特徴

ホロライブプロダクションには「hololive」をはじめとしたアイドル性の強いVTuberタレントが多く所属しています。

同業他社の運営する「にじさんじ」などは男女混合ですが、ホロライブプロダクションの場合は女性タレントが「hololive」所属で男性VTuberは「HOLOSTARS」所属といったように、男女が分けられていることが大きな特徴です。また、男女混合での配信をすることはめったにありません。

 

オフでのイベントもコンサートやライブを重視しており、VTuber業界の中でもアイドル性が色濃く出ているプロダクションと言えるでしょう。

また、「hololive」は所属するVTuberの多くがチャンネル登録者100万人を達成していることと、スーパーチャット(配信中に視聴者が送る投げ銭機能)の額が多いことでも有名です。

 

「hololive English」所属のGawr Gura(がうる・ぐら)さんがチャンネル登録者400万人を越えてVTuber界で最多を記録しており、「hololive」では宝鐘マリンさん、兎田ぺこらさん、白上フブキさんが200万人を越えています。

VTuber業界では「hololive」と並ぶ大手とされている「にじさんじ」ですらチャンネル登録者200万人を越えているVTuberが1人もいないことを考慮すると、相当な人気があることがうかがえるでしょう。(2023年2月時点)

 

過去には、当時在籍していた1人のVTuberが受けたスーパーチャット(YouTube内の投げ銭機能)金額が年間1億9449万462円にも達し、スパチャ額世界1位の記録として話題になったこともありました。

 

カバー株式会社のこれまで

2016年6月に資本金1900万円でカバー株式会社を設立、翌年2月にVRの卓球ゲームをリリース。

2017年の9月に同社初のVTuberアイドル、ときのそらさんが活動を開始しました。(活動開始当初はニコニコ動画も併用)

 

2018年6月に女性VTuberグループ「hololive」を立ち上げ、続いて2019年5月に男性VTuberグループの「HOLOSTARS」が活動開始。

2020年にはインドネシアで活動する女性VTuberグループの「hololibe Indonesia」、同年9月には英語圏で活動する女性VTuberグループの「hololive English」を活動開始し、海外活動にも力を入れていきました。

 

2021年2月には、hololiveタレントのIP(知的財産)を活用したメディアミックスプロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」を始動。同プロジェクトは、hololiveの所属タレントたちの異世界での活躍を描くというコンセプトで、小説・アニメ・漫画・ゲームと幅広いメディアで展開されています。

2021年9月に公式オンラインショップのhololive production OFFICIAL SHOP」のを運用開始。

 

2022年6月には、英語圏で活動する男性VTuberグループ「HOLOSTARS English」の活動開始。

2022年11月には、前述した「ホロライブ・オルタナティブ」の世界観を踏襲したメタバースサービス「ホロアース」の常設ロビーのベータ版をリリースしています。

 

 

カバー株式会社以外で上場しているVTuber関連会社「ANYCOLOR株式会社」について

「にじさんじ」を運営する「ANYCOLOR株式会社」は、2022年の6月8日に上場しています。

上場前の想定時価総額は450億円程度でしたが、上場と同時に株価が上がり続け、翌日には時価総額で1500億円近くまで上昇。

 

2022年の9月頃にはピークに達し、時価総額3000億を越えて大手テレビ局を上回ることとなったため、大きな話題になりました。

様々な要素が関係しているため断言はできませんが、コロナ禍によってイベントが制限されたこととリモートワークが普及したこと、余暇を自宅で過ごすことが多くなったことからYouTubeを見る人が増え、VTuberが注目されたからではないかと推定されていました。

 

また、2022年に5月より活動を開始した壱百満天原サロメさんの影響も大きかったのではないでしょうか。

壱百満天原サロメさんは、デビューからわずか17日でチャンネル登録者100万人を達成し、VTuberによるチャンネル登録者100万人の最速記録を更新しました。また、週間でのスパチャ(YouTube上の投げ銭機能)額やVTuberの動画・配信の再生数も当時ではトップの記録を出しています。

 

その後もテレビ番組に出演したりテレビCMに出演したりと配信外でも幅広い活躍をしているため、YouTubeをあまり見ない方でもテレビで目にしたことがあるのではないでしょうか。

現在では、ANYCOLOR株式会社の時価総額は1358億円ほどと上場直後と同じ水準まで戻ってきていますが、それでも上場前の推定時価総額と比べると3倍近くになっています。

 

 

カバー株式会社とANYCOLOR株式会社の大きな違いは男性VTuberの存在

どちらもVTuber事業を行っている会社ですが、運営方針に違いがあります。

カバー株式会社が運営するホロライブプロダクションは、男性グループである「HOLOSTARS」も運営してはいますが、全体で見ると女性VTuberグループである「hololive」とその海外グループである「hololive English」「hololive Indonesia」が主力となっています。また男性VTuberと女性VTuberが合同で配信を行うことはほぼありません。

 

一方、ANYCOLOR株式会社が運営する「にじさんじ」は男女ともに起用していて、さらに事務所の内外問わず男女混合での配信やイベントなどを頻繁に行っています。

この点が両社の大きな違いです。

 

一般的に、いわゆるオタク的な分野では男性よりも女性の方が推し(自分が好きなタレント)にお金を使う人が多いとされています。

そのため、人気の男性VTuberを多く抱えているVTuber事務所の方が、グッズなどの収益で有利になるのではないでしょうか。

 

実際に両社のデータを比べてみても、スーパーチャットに比べて利益率の高いグッズ販売等の利益はANYCOLOR株式会社の方が高くなっています。ただし、ANYCOLOR社の方が一年ほど早く公式ショップを開設しているため、その影響もあるかもしれません。

スーパーチャットの金額では大きな記録を出し続けているホロライブプロダクションですが、より収益性の高いグッズ販売等をどう伸ばしてくかがこれからの鍵となっていくことでしょう。

 

また、最近β版がリリースされた「ホロアース」によるメタバース市場での成功の可否も、大きく関わってくることが予想されています。

 

 

まとめ

ここまで、カバー株式会社の上場について、ホロライブプロダクションについて、既に上場しているANYCOLOR株式会社(「にじさんじ」の運営会社)との違いなどについてかんたんに紹介してきました。

今回上場するカバー株式会社と既に上場しているANYCOLOR株式会社は、同じ業界で活躍する会社ではありますが、似ているようで違うものであることも理解していただけたと思います。

 

ANYCOLOR株式会社とは違う路線で活躍するカバー株式会社が今回の上場を経てどのように成長していくのか、多くの人が注目していることでしょう。

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